ある賃貸用不動産には家賃滞納者がおり、その未収家賃の権利を誰が相続するか、不動産が一部老朽化したため生前建て替えを行った際の借入金を誰が承継するか等、記載がされていませんでした。未収家賃や借入金の負担は、各不動産の取得者に紐づけになるように、改めて遺産分割協議をすることとなり、思ったより手間がかかってしまいました。
1.ポイント
遺言は、細かなところまで指定して書かないと、結果的に分割協議せざるを得ない場合や、トラブルに繋がる恐れがあり、遺言を書いた意味がなくなってしまいます。専門家に相談の上、財産や債務の行き先が細かく指定された遺言を書くようにしましょう。
2.解説
不動産を特定の人に相続させることだけを書いていては、それ以外の資産や負債について、誰が承継するか不明になってしまいます。未収家賃や借入金もその賃貸用不動産を引き継ぐ子に承継すればいいと安易に考えてしまうと、払えるかどうかと言った問題も生じます。