1.ポイント
中古で取得した資産に、さらに回収して、50%以上の資本的支出をした場合には、新品の資産を取得したのと変わらないことから、その耐用年数についても新品を取得したのと同じ年数を使用しなければなりません。例えば、1,000万円で取得した資産に1,000万円の改修をすれば、50%以上の資本的支出となり、41年の耐用年数となります。
2.解説
中古資産を取得した場合に、使用する耐用年数については、以下の順序で考えていくと判定しやすいでしょう。
取得した中古資産について資本的支出の金額があるか |
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YES |
NO |
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支出した資本的支出の金額がその中古資産の再取得価額の50%以上か |
修繕費 |
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YES |
NO |
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法定耐用年数 |
支出した資本的支出の金額がその中古資産の取得価額の50%以上か |
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YES |
NO |
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見積法 |
見積法又は簡便法 |
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取得した中古資産について資本的支出の金額があれば、まず、その再取得価額の50%以上になっていれば、新品を取得したのと同じ法定耐用年数を使用することになります。このときには、見積法による使用可能期間を用いることができません。
なお、取得した中古資産について見積法又は簡便法が使用できる場合の計算方法は以下のように規定されています。
(a) 見積法
法人が中古資産を取得した場合には使用可能期間を見積もることができますが、その見積もり方法については法人税法上、明確に規定されていません。従い、何かしらの方法で合理的に見積もることになりますが、法人が以下の算式により計算した年数を、その中古資産の使用可能年数としているときは、これを認めることとされています。
(算式)A÷(B/C+D/E)=使用可能期間(1年未満の端数があるときは、これを切り捨てた年数とする)
A:中古資産の取得価額(資本的支出の価額を含む)
B:中古資産の取得価額(資本的支出の価額を含まない)
C:中古資産につき簡便法により計算した耐用年数
D:中古資産の資本的支出の額
E:中古資産の法定耐用年数
※ただし、中古資産を事業の用に供するにあたって、支出した資本的支出の金額が当該資産の再取得価額の50 %を超える場合には、上記の算式により計算することはできません。
(b) 簡便法
・法定耐用年数の全部を経過したもの
[算式]法定耐用年数×20 / 100 =残存耐用年数
・法定耐用年数の一部を経過したもの
[算式](法定耐用年数−経過年数)+(経過年数×20 / 100)=残存耐用年数